子どもの宇宙
昨日は、「こどもの日」でした。
東京新聞に考えさせられる記事がありましたので、ご紹介します。
〈ひとりひとりの子どものなかに宇宙があることを、誰もが知っているだろうか。〉
臨床心理学者の故河合隼雄さんが著書『子どもの宇宙』で問いかけている。20年以上前になる。
ある小学1年生のなかの宇宙には神様が存在している。世の中にはなぜ、うれしいことと悲しいことがあるのかを考えているうちに見いだしたようだ。『かみさま』という詩につづっている。〈みんないいひとばっかりやったら / かみさまもあきてくるんとちがうかな〉と
河合さん曰く〈見事な自然体で、世のなかいろいろあっていいのじゃないの、とゆったりと構えている〉。住み心地のよい宇宙に見える。
子どもは大人が思っているよりもたくさんのことを、深く考えている。でも大人は小さな姿に惑わされて教育や指導、善意のつもりで宇宙を破壊してしまう。河合さんの警鐘である。
子どもは察しており、大人がどれだけ本気で知ろうとしているのかを観察しているという。小学2年生の『おとな』という詩には、大人から「大きくなったな」と声をかけられるが〈おとなは / みんなおなじことをいう〉とある。
見に覚えがある。これだけでは対話にならず、心を開かせることはできない。
今日はこどもの日。子どもの言葉に耳を傾けたい。どんな宇宙が見えてくるのか。自分が忘れた心の内を見ることになるのかもしれない。
2008年5月5日付 東京新聞 筆洗より
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